片山被告、未公表の犯行予告で4度目の再逮捕。2つの事件の類似点

今日発表された報道によると、『片山被告4度目逮捕…伊勢神宮爆破予告など疑い
昨年、2012/9/10に行われた2つの犯行予告の威力業務妨害容疑で片山被告が再逮捕された。
事件のうちの1件は真犯人による犯行声明では触れられていない未公表のものだった。
また、2つの予告を比較してみると、同じ語句が使われている等の類似点があった。
さらに、今回新たに判明したドコモ犯行予告はレス番をつけて「反応」するという大きな特徴があった。

2つの犯行予告の内容

2つの事件のうち、「伊勢神宮への犯行予告」は真犯人によって公表されていたが、
ドコモショップへの犯行予告」は犯行声明では触れられておらず未公表のものだった。

2つの犯行予告の類似点

2つの事件は別の犯行予告にも関わらず、多くの類似点があった。
これにより関連性が疑われ、再逮捕に至ったものだと推測される。

■類似点1:特徴的なキーワードの一致
  • 「無差別に刺殺撲殺惨殺毒殺」
  • 「全部実行してやる」
  • 「(必ず or 絶対)実行するから逃げるなよ」

一字一句同一の特徴的なキーワードがいずれの犯行予告内でも使われている。

■類似点2:投稿日時の一致
  • ドコモの投稿日時
    • 15:40:39、15:44:00、15:46:55、15:49:40
  • 伊勢神宮の投稿日時
    • 15:35:39、15:37:59、15:43:20

ほぼ同一時刻に投稿が行われている

投稿時系列

  • 15:35:39 伊勢神宮
  • 15:37:59 伊勢神宮 (+2分20秒)
  • 15:40:39 ドコモ (+2分40秒)
  • 15:43:20 伊勢神宮 (+2分41秒)
  • 15:44:00 ドコモ (+40秒)
  • 15:46:55 ドコモ (+2分55秒)
  • 15:49:40 ドコモ (+3分)

ドコモ予告の主な特徴→レス番をつけて「反応」

ドコモ予告はこれまでの単発の犯行予告と違い、レス番をつけて反応をする特徴があった。

従来の犯行予告は、レス番をつけるような「反応」はなかったので、あらかじめ用意された犯行予告文と、
投稿先のターゲットさえ決めておけば、遠隔操作先のPCが立ち上がったタイミングで投稿されればよいものだった。

しかし、ドコモ予告のようにレス番をつけて「反応」をするためには、リアルタイムで投稿を監視しつつ、
反応をできる状況に居なければならない。

ドコモ予告は、そういった環境に真犯人がいたことを示す重要な手がかりになっているといえる。

犯行時刻は月曜日の15時。普通の会社であれば、勤務時間中。この時刻の片山被疑者のアリバイに注目したいところ。
この時刻に片山被疑者の勤務先から「したらば掲示板」へのアクセスがあり、
リアルでのドコモショップとのトラブルが事実であれば、すべての接点がこの予告で結びつく。

同一IDによる別スレッドへの投稿者

関連性は不明、「IDが被った」と名乗る人物が同日、別スレッドに投稿していた。
http://hissi.org/read.php/jisaku/20120910/V3Y0c0x4dFg.html

遠隔操作全文に追加

今回の発表を受けて、遠隔操作ウイルス真犯人の犯行予告全文テキストにドコモへの犯行予告を追加しました。

記事

時事通信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130508-00000040-jij-soci
片山容疑者を4度目逮捕=伊勢神宮爆破予告の疑い―ウイルス作成も立件検討・警視庁
時事通信 5月8日(水)10時48分配信

 遠隔操作ウイルス事件で、警視庁などの合同捜査本部は8日、津市の男性のパソコン(PC)を遠隔操作して伊勢神宮爆破予告を書き込んだなどとして、威力業務妨害容疑でIT関連会社社員片山祐輔容疑者(30)=別の殺人予告事件などで起訴=を再逮捕した。同容疑者の逮捕は4度目。捜査本部はウイルスを作成した容疑などでの立件も検討している。
 捜査本部によると、片山容疑者は「身に覚えがない」と容疑を否認。伊勢神宮爆破予告事件をめぐっては、三重県警がこの男性を誤認逮捕し謝罪している。
 逮捕容疑は昨年9月10日午後、ウイルスに感染した男性のPCを遠隔操作し、インターネット掲示板上に、伊勢神宮爆破予告や東京都内の携帯電話販売店の襲撃予告を書き込んだ疑い。
 捜査関係者によると、片山容疑者は昨年1月にこの販売店を利用し、トラブルを起こしていたという。 

読売新聞

「片山被告4度目逮捕…伊勢神宮爆破予告など疑い」
http://www.yomiuri.co.jp/net/news1/national/20130508-OYT1T00617.htm

 パソコン遠隔操作事件で、警視庁などの合同捜査本部は8日、伊勢神宮や携帯電話販売店への襲撃予告に関与したとして、IT関連会社社員片山祐輔被告(30)(ハイジャック防止法違反などで起訴)を威力業務妨害容疑で再逮捕した。

 片山被告の逮捕は4度目で、「身に覚えはありません」と容疑を否認している。

 発表などによると、片山被告は昨年9月10日午後、遠隔操作型ウイルス「iesys(アイシス).exe」に感染させた津市の男性(28)のパソコンから、インターネット掲示板2ちゃんねる」に「伊勢神宮爆破」「秋葉原ドコモショップにトラックで突っ込む」などと書き込み、同神宮と東京・秋葉原ドコモショップの業務を妨害した疑い。

 ドコモショップ襲撃の書き込みについては、これまで明らかにされていなかったが、同庁は片山被告の使用していたパソコンの解析などから関与が裏付けられたとしている。同被告は昨年1月、客として店を訪れた際、店側とトラブルになっていたといい、同庁で事件との関連を調べている。

(2013年5月8日12時21分 読売新聞)